Thursday, March 31, 2022 6:54 AM

EV電池のONEと6K、低コストの正極材開発で協力

 電気自動車(EV)用電池メーカーのアワ・ネクスト・エナジー(ONE、ミシガン州)とリチウムイオン電池用の持続可能な先端材料を生産する6K(マサチューセッツ州)は、低コストの電池正極材料の開発および生産で提携した。

 ONEのプレスリリースによると、両社は新しい電池材料のコストと生産に必要な資金を大幅に引き下げるため協力する。電池材料は6Kのマイクロ波プラズマ生成システム「ユニメルト(UniMelt)」を使って作り、ONEの電池システム「ジェミナイ(Gemini)」で使用する。「ジェミナイ」はEVの航続距離を大きく延ばす電池システムで、ONEはこの電池の生産拡大と商業化に取り組んでいる。

 ONEの創業者であるムジーブ・イジャズCEOは「6Kの材料と工程を使ってジェミナイの正極材料を製造する上で最も費用対効果の高い方法を開発する。より持続可能で現地中心のサプライチェーンによって電池製造技術を構築し、それによって電池材料コストの大幅削減を目指す」と話している。

 ONEは最近の概念実証で、テスラ「モデルS」に自社の電池を搭載して752マイルの航続距離を達成しており、結果は第三者によって検証されている。

 6Kは2021年、6Kエネルギー部門に30万ドルを投じて電池卓越センターを設立すると発表した。新施設は、電力量換算で年間生産量400〜500メガワット時(MWh)のパイロット版「ユニメルト」システムを複数設置し、正極材料NMC811を製造できる米国最大の工場になる。これは、高エネルギー密度、単結晶カソード、低コスト、紛争と関連する材料を使わない正極材料、固体電解質材料、および負極材料といったフルスケールの材料開発を支援する施設で、パートナーの条件を完全に満たすパイロット生産能力を生み出し、国内生産への道を切り開くと期待される。

https://one.ai/6k-partnership/