Monday, May 23, 2022 11:30 AM

アップル、VRヘッドセットの発売に接近

 アップル(Apple)は先日、有力な新製品候補である仮想現実(VR)ヘッドセットを取締役会で実演した。

 同社がVRヘッドセットを発売する観測や憶測は数年前から報じられているが、具体的情報はこれまで皆無だ。今回のヘッドセットについても詳細は不明だが、最終商品化と発売の現実味がかなり大きくなっていることを示す動きといえる。

 ワイヤード誌によると、VR端末製品市場にアップルが参入することは、同社の元設計主任ジョニー・アイヴ氏やほかの幹部らのあいだで意見の対立があったという。

 アップルが取締役会で披露したVRヘッドセットは、仮想現実と拡張現実(AR)を統合した複合現実(mixed reality=MR)技術を取り入れた設計とみられる。

 同ヘッドセットが発売されれば、身体装着型VR製品の生態系をゆるがす可能性がある。同分野では現在、メタ・プラットフォームス(Meta Platforms、旧フェイスブック)傘下のオキュラス(Oculus)が最大手だ。メタは、メタヴァースが次なる仮想交流世界になるという考えにもとづいて、100億ドルという巨額をメタヴァース事業に投じる方針を打ち出している。

 アップルが、VRまたはMRヘッドセットを市場投入すれば、アップル・ウォッチ以来の大物の登場となり、市場競争の構造に大きく影響することは必至だ。

 アップルのヘッドセットは、同社がメタヴァース市場を視野に入れた新製品と位置づけている可能性がある。メタヴァース(metaverse)とは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間で、複数の利用者らがそれぞれの分身(アヴァター)を使って自由に行動できる仮想社会の世界。

 アップルがメタヴァース市場の開拓をねらっていることを示す証拠はまだないが、それほど遠くない将来に世界中の何十億という人がメタヴァースで仕事や買い物、社交をすることを想定すれば、アップルがその市場を視野に入れている可能性は高いといえる。

https://www.wired.com/story/apple-ar-vr-glasses-get-closer-to-reality/