Wednesday, June 01, 2022 12:26 PM

ダイソン、家事用ロボットの開発に注力

 高性能掃除機や羽根なし扇風機、温風暖房機で知られる英国拠点のダイソン(Dyson)は5月31日、家事用ロボットを10年以内に発売する「基本計画」を明らかにした。

 デザイン・ブーム誌によると、同社は、家庭用ロボット市場に参入するその野心的計画を、フィラデルフィアで開催された「ロボティクスおよび自動化に関する国際会議(International Conference on Robotics and Automation=ICRA)」で発表した。

 ダイソンは同計画の一環として、英国最大かつ最先端のロボティクス工学センターをハラヴィントン飛行場施設内に開設する計画で、強力な開発班を編成するために、世界でもっとも優秀なロボティクス技術工学者たちを雇う方針だ。

 ダイソンは、同社初のロボティクス工学者たちを20年前に採用し、2022年だけでさらに250人のロボティスト(ロボティクス専門家)を探している、と同社のジェイク・ダイソン主任工学者は話している。

 ロボティストたちを大規模に雇うことは、機械工学から機械視認、機械学習、蓄エネルギーまで、ダイソン全体の研究&開発を推進するうえで、未来のロボティック技術への「大きな賭けだ」と話す同氏は、「世界でもっとも優秀な人材に集まってほしい」と述べた。

 同社はICRAの発表会において、持ち上げる動作を可能にする機械手腕を披露した。幼い子どもをやさしく抱き上げたり、おもちゃを片づけたり、食器を積み上げたり、テーブルをならべたりといった高度の動きを実現する。

 同社は、基本的な家事をこなせるロボットの開発に焦点をあわせ、その目標を達成するために今後5年間で700人のロボティクス工学者を採用することを検討中だ。それらの人材は、ロンドンやハラヴィントン施設、シンガポールに配置される予定だ。

 同社は2022年に入ってからこれまでに、すでに2000人を採用した。その半数が工学者や科学者、コーダーで占められる。

 ダイソンは、250人のロボティストを追加採用するにあたって、ハラヴィントン飛行場の航空機格納庫の一つを改築した。同社は、家事用ロボット向けの設備や研究&開発に総額27億5000万ポンドを投資する計画で、そのうちの6億ポンドはことし中に使われる予定だ。

https://www.designboom.com/technology/dyson-secret-robot-prototypes-household-chores-05-31-2022/