Monday, July 11, 2022 7:03 AM

電動コンプレッサーの生産1000万台体制を構築〜豊田自動織機

 豊田自動織機は、電動化を背景にしたカーエアコン用電動コンプレッサーの需要拡大に対応するため、東浦工場および中国子会社TACK(豊田工業電装空調圧縮機(昆山)有限公司)の加工ライン、刈谷工場の組立ラインで能力増強を行い、グローバルで1000万台の生産体制を構築することを明らかにした。シェルやローターなど、圧縮機能を担う基幹部品を加工する東浦工場は、約2倍に拡張して電動コンプレッサー部品専用の加工ラインを新設し、22年10月から生産を開始する。

 電動コンプレッサーの世界市場は、21年度1,000万台から23年度2000万台へと拡大する見通しだ。豊田自動織機は電動コンプレッサーのトップシェア企業で、グローバルシェア50%、販売台数1000万台を目指し、欧米での現地生産の拡充を検討していく。

 EVの熱マネジメントにおける中核部品としても電動コンプレッサーの商品力向上に取り組む。バッテリーをはじめ多くの電子機器を搭載するEVでは、熱対策は航続距離や充電時間、電池寿命を左右する重要な技術となる。EV向けコンプレッサーは車室内だけでなく電子機器の冷却も担い、高い冷房能力が求められている。また、暖房にエンジンの廃熱を利用できないBEVでは、コンプレッサーを駆動させるヒートポンプ式暖房の採用が広がっており、コンプレッサーには冷暖房を共に担う耐久性能が求められている。

 豊田自動織機の電動コンプレッサー「ESH34」は、トヨタ新型BEV「bZ4X」に採用された。より大型なバッテリーや電子機器にも対応した大容量タイプの「ESH41」も市場投入している。