Thursday, September 01, 2022 6:50 AM

NC州立大、高速道路の車線変更に対応できるアルゴリズム開発

 ノースカロライナ州立大学(NCステート)の研究チームは、無人の自動運転車(AV)のシミュレーションシステムで、車載ソフトウェアが必要な計算をより迅速に行って交通の流れと走行中の安全を向上させる方法を開発した。

 同大学のプレスリリースによると、論文作成を主導したアリ・ハジバビー助教授(土木・建設・環境工学)は「AVの車線変更を想定して設計された現在のプログラムは、車載システムがリアルタイムで制御できるよう計算を単純化して問題を迅速に解決できるようにしているが、現実世界の状況が単純であることはほとんどないため、問題を単純化しすぎるとかえって新しい問題が発生する可能性がある」と指摘。「私たちの手法は、現実世界の問題の複雑さを受け入れることができる。問題の単純化を重視せず、協調的に分散させたアルゴリズム(コンピューターによる計算手法)を開発した。基本的には、複雑な問題をより小さな副問題に分解し、それらを異なるプロセサーに送って別々に解かせるという考え方で、並列化と呼ばれるこのプロセスは効率を大幅に向上できる」という。

 研究チームが行った概念実証(POC)では、この方法によってAVのソフトウェアがリアルタイムで合流の問題を解決できるかどうかを調べ、交通と安全への影響という観点から新しい「協調的」アプローチと既存のAVの走行モデルを比較した。

 今のところ同じコンピューターの多数のコアに副問題を分散させたシミュレーションでこの戦略を実験しているだけだが、実際にAVが路上でこの方法を活用することになれば、車同士でネットワークを構築し、計算の副問題を共有することになる。

https://news.ncsu.edu/2022/08/helping-avs-navigate-tricky-traffic/