Wednesday, September 07, 2022 6:51 AM

フレイル、日本電産に38GWhのLFP電池供給へ

 次世代リチウムイオン電池生産を目指すノルウェイの新興企業フレイル・バッテリー(FREYR Battery)は、2025年から30年にかけて日本電産にリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)を容量換算で38ギガワット時(GWh)分供給する拘束力のある販売契約を締結した。

 フレイルによると、契約には期間中に供給量を50GWhまで拡大するオプションが含まれ、30年からさらに数量を追加する可能性もある。

 また両社は、世界中の顧客に産業規模の統合型エネルギー貯蔵システム(ESS)ソリューションを提供するため、ノルウェイで川下部分の合弁会社(JV)を設立することにも合意した。日本電産が66.7%を保有する。

 このJVは、産業用および電力会社レベルの蓄電池式ESS用途向けに、高い競争力と二酸化炭素(CO2)低排出の電池モジュールおよびパックソリューションの開発、製造、販売を行う予定。モジュールの生産は、フレイルの大規模工場「ギガ・アークティック」の展開に組み込まれる可能性が高く、統合ESSソリューションの数量は、24年上半期の電池生産増強目標と合致するという。

 今回の契約に先立ち、フレイルは日本電産に31GWhの電池を供給する条件付引取契約を発表していた。今回の38GWhの販売契約規模は、原料価格に基づき、25〜30年で総額30億ドル以上と見積もられており、ESS電池の契約としては世界最大級となる。

 フレイルは、ノルウェイのモイラナで建設中のギガ・アークティックから、38GWhのクリーンな次世代電池を日本電産に供給する。フレイルにとって今回の契約は、モイラナで進めているギガ・アークティック開発におけるプロジェクトファイナンスの重要な通過点となり、契約で確定している量とオプションの量を合わせるとギガ・アークティックの予定生産量の50%を占めることになる。

https://www.nidec.com/jp/corporate/news/2022/news0830-01/