Friday, September 09, 2022 7:20 AM

EV自動充電技術の推進団体、欧州で発足

 電気自動車(EV)に自動で充電する技術の標準化を推進する企業連合(コンソーシアム)「ROCIN-ECO」が、ドイツで設立された。

 エレクトライブによると、参加企業は、アイオニティー(Ionity)、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、フォード、ロクシス(Rocsys)、フーバー・スーナー(Huber+Suhner)、テュフズード(TUV Sud)およびAVLリストの10社。

 すでに自動充電ソリューションを提供しているオランダ拠点のロクシスによると、同コンソーシアムは、欧州の高速道路沿いにある急速充電施設に、15〜30分でEVを完全に自動充電できる「ロボット充電レーン」を1つ以上設置することを目指す。この技術革新で人的要因を排除することにより、EVの充電にかかる時間を15%短縮できると見ている。

 ROCIN-ECOは、Robotic Charging Infrastructure Ecosystem(ロボット充電インフラ・エコシステム)の略で、自動充電のデモンストレーション(実演)を実施するほか、規格の導入や調整にも取り組む。ロクシスの共同創業者でCEOのクリイン・ボウマン氏は「自動充電は、充電インフラとEV間の完全な相互運用性によってのみ成功する。こうした接続され統合されたアプローチには、成功の前提条件として調和の取れた取り組みが必要だ」と述べた。

 プロジェクトパートナーで、ドイツ政府傘下の水素および燃料電池技術推進団体NOW GmbHによると、ROCIN-ECOは、無差別と標準化を重視し業者に依存しない唯一のソリューションとなり「公共での使用を考慮した実用的な手法、安全なソフトロボット技術、高い充電性能で、他のプロジェクトと一線を画す」という。

 具体的には、特にロボット、充電ステーション、車両間の通信インターフェイスのためのシステム要件がプロジェクトの中心になる。パートナー企業は、ユーザーの要件、用途、技術的要件に基づいてこれらを規定し、標準化委員会に提案する。

 このソリューションは、充電ケーブルを自動で伸ばしてEVに接続するロボット充電器を使うため、最適なHPCケーブル、車両側の自動充電フラップ、およびインターフェイスが必須のコンポーネントになる。システム構築後は、試験場の実証機/プロトタイプを全ての自動車メーカーに公開する予定だ。