Thursday, September 29, 2022 11:53 AM

いつどのように売り込むかを機械学習モデルで特定

 サンフランシスコ拠点の新興企業ヘッズアップ(HeadsUp)は、製品主導成長型(product-led growth=PLG)のサース(SaaS=software-as-a-service)会社らの営業担当者たちがいつどのように売り込むべきかについて、より深く理解して高い効果をあげられるようにするソリューションによって台頭しつつある。

 PLGとは、一般的に、製品をまず使ってもらうことが顧客の獲得や維持、事業拡大を促進するという運営モデルを指す。たとえば、多くのサース会社やオンライン・サービス会社、アプリケーション会社らは、無償提供から始めて顧客基盤を大きくしてから部分的有料化やアプリケーション内課金、有料版の市場投入といった手法で、販売機会の創出や拡大を模索する。

 テッククランチ誌によると、ヘッズアップは、サース会社らが集めた幅広いデータを分析し、技術者ではない営業担当者らが、どの利用者にいつどのように売り込むのが最適かを把握できるようにすることで、もっとも高い営業効果を見込める最善の時期を特定する。

 転換率(潜在的購入者が購入者になる率)を上げるためにヘッズアップが分析するデータの種類には、利用データや課金データ、CRM(customer relationship management)データのほか、対象人物の役職や利用者の勤務先の資金調達額といった第三者データも含まれる。

 それらはすべてヘッズアップの機械学習モデルに組み込まれ、サース会社たちからのデータで訓練される。同モデルは、転換率向上や解約防止といった目的を利用会社らに選ばせ、当該顧客アカウントの履歴データにもとづいて点数をはじき出す。そういったデータ分析によって、個々の利用者の転換や解約の確からしさと時期を予想する。

 同ソリューションは、営業班や販促班の予算が小さく利用者基盤を利益にすぐにつなげる得策を見つけられないサース会社らに適している。

 同社の共同創設者モモ・オング氏によると、何十万や何百万という利用者がいても、有料利用者への転換率わずかに1%~2%にすぎない。

 ヘッズアップは、資金調達を機に、同ソリューションの機能拡充や販促を大幅に強化する計画だ。同社は9月28日、850万ドルを確保したことを明らかにし、それを原資に事業拡大を一気に強化する方針を示した。

https://techcrunch.com/2022/09/28/headsup-helps-plg-sales-teams-understand-how-and-when-to-sell/