Thursday, October 20, 2022 6:56 AM

シーメンス、ACCのEV電池工場に機器供給

 ドイツのエンジニアリング企業シーメンスは、ステランティスとメルセデス・ベンツ、仏トタルエナジーズが立ち上げた電気自動車(EV)用電池生産の合弁事業オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)の工場に、機器や技術を供給する。

 ロイター通信によると、ACCはEVの生産拡大を支えるため、67億9000万ドル超を投じて2030年までに生産容量がそれぞれ40ギガワット時(GWh)の工場を3カ所建設する計画を進めている。シーメンスは今回の契約によって、ACCの工程自動化、デジタル化、電動化技術における優先サプライヤーになった。

 シーメンスは、独自のデジタルツイン技術により、フランスのビリーベルクロー・ドゥブラン、ドイツのカイザースラウテルン、さらに恐らくイタリアのテルモリに開設されるACC工場の立ち上げが早まると見込んでいる。

 この提携では、シーメンスが22年初めに発表したオープン・デジタル・ビジネス・プラットフォーム「Xcelerator(エクセラレイター)」が使われる予定。シーメンスはハードウェア、ソフトウェア、デジタルサービスで構成されるこのクラウドベースのプラットフォームによって、21年は58億9000万ドルだったデジタル事業を毎年10%ずつ成長させたいと考えている。

 同社はACCに対し、生産設計から製品デザイン、製品ライフサイクル管理からエネルギー管理システムに至るデジタル部門のハードウェアとソフトウェアへのアクセスを提供する。シーメンスのデジタル産業部門を率いるセドリック・ナイケ氏によると、ACCでは工場の建設から生産の自動化、ビル管理サービスまで、実質的に「Xcelerator」の全領域を活用することになる。