Tuesday, November 01, 2022 6:52 AM

日立アステモ、ステアバイワイヤーの試作版開発

 日立Astemo(アステモ)は、従来のハンドルをなくし車室の空間を広げるステア・バイ・ワイヤー(SbW=電気制御のハンドル操作)による新しい操舵装置のプロトタイプを開発した。

 日立アステモは、2021年初めに日立オートモティブとホンダの主要サプライヤー3社が合併して設立された会社。

 同社のプレスリリースによると、操舵系と転舵系のアクチュエイター(モーターに機構部品を組み合わせた製品)を電気信号で連動させるSbWシステムは、ステアリングホイール(ハンドル)とステアリングギヤの間に機械的な接続がないため従来のハンドルを排除し装置を小型化することで車室空間を広げられるが、操舵装置を小型化するとドライバーの操作に対して車の応答が過敏になるという課題があった。

 日立アステモの新しい操舵装置は、21年に経営統合した旧ショーワの長年の研究を基にした高度なステアリングフィール(操舵感)技術や、日立製作所と共同開発した路面から伝わる情報を検知する技術などを活用。車速に応じたステアリング、最適なステアリングギヤ比、路面の凹凸や傾斜など走行を乱す要因を検知し抑制する技術などによって、転舵側アクチュエイターを最適に制御し、操作への応答を過敏にさせず滑らかな運転を可能にする。ハンドルを小型化できれば、自動運転車(AV)など次世代車両の車室を広げることができる。

 また、小型の操舵装置に対する転舵アクチュエイターの制御を最適化できれば、操舵側の制御装置などを排し、操舵反力を得られる単純な機械的構造にでき、コストを抑えつつSbW化が可能になる。SbWシステムで懸念される故障や回路の欠損などに対しては、フェイルセーフ(故障時や異常発生時でも安全に動作し人命が危険にさらされない)機能を組み込んで安全性を高めている。

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/10/1020c.html