Wednesday, November 16, 2022 5:53 AM

パナソニック、レッドウッドから、カンザス電池工場に正極材を調達

 パナソニックエナジー(⼤阪府守口市、社⻑︓只信一生)は、電池生産における北⽶でのサプライチェーン確⽴と現地調達率の向上を目的に、⽶国の電池リサイクル企業RedwoodMaterials(ネバダ州カーソン市、CEO:JBStraubel)と、EV用リチウムイオン電池の正極材及び銅箔について、数十億ドル規模の複数年売買契約を締結したと、発表した。レッドウッドのリサイクル正極材は25年からカンザス州デソトの新工場で、リサイクル銅箔は2024年からネバダ州スパークスにあるPanasonicEnergyofNorthAmerica(PENA)の工場で、リチウムイオン電池用に使用される。

 正極材は、EV用リチウムイオン電池の性能と安全性に関わる最も重要な材料で、ニッケル、リチウム、コバルトなどが使用されている。両社は19年より提携し、PENAの工場で出る廃材は、レッドウッドによってリサイクルされている。

 今回売買契約を締結した正極材と銅箔は、いずれもこのリサイクル材料を用いて製造される。北⽶での現地調達率の向上ならびに、30年度にカーボンフットプリントを21年度⽐で半減するというパナソニックの目標に近づく。

 8月に成立したインフレ抑制法(IRA)が、電気自動車バッテリーに使用されるニッケル、コバルト、リチウムなどの主要材料を中国外に求め、バッテリー製造を北米に限定していることに、今回の調達契約は対応している。レッドウッドのStraubel氏は、これを認め、同社が北米で正極材を大量生産する最初の企業になることを目指すとしている。