Thursday, December 22, 2022 11:51 AM

ジンジャー、ソフトウェア調達費に照準した融資サービスを立ち上げ

 オンライン融資サービス新興企業のジンジャー(Gynger、ニューヨーク市拠点)は12月21日、ソフトウェアをはじめとする技術ソリューション購入のための資金を融資する法人向けサービスを立ち上げた。

 テッククランチ誌によると、同社はこのほど、アッパー90(Upper90)とヴァイン・ヴェンチャース(Vine Ventures)が率いた資金調達で1170万ドルのシード資金を調達し、また、アッパー90から1000万ドルの投資を受けた。

 ジンジャー創設者のマーク・ガーメジアン氏は、顧客関係向上管理プラットフォームをクラウド経由で提供するブレイズ(Braze)を設立した経験がある。同氏はその経験から、企業向けサース(SaaS=software-as-a-service)の販売がいかに難しいかを実感し、ソフトウェアを購入しやすくするためのしくみを新興企業らに提供したいと考えるようになった。

 ジンジャーの中核製品は、ソフトウェアや基幹設備技術製品の購入を目的とした融資のオンライン審査を自動化するモデルだ。与信限度や債券金融を顧客会社らに提供し、それらの会社がサース利用料を払えるようにする。サース製品の多くが、12ヵ月分といった一定期間にわたる利用料を一括前払いにする利用会社らに対して割り引き価格を提示しているため、融資を受けてでも前払いすることに利点がある、とガーメジアン氏は説明している。

 会社らがサース製品に費やす支出は増加している。事業管理のためのソフトウェアを提供するヴァーティス(Vertice)が最近実施した調査では、サースへの支出額が5年前とくらべて53%増大していることが判明した。

 ただ、記録的な高金利や歴史的な高インフレーションによる景気後退懸念の強まりを背景に、最近では、多くの会社がソフトウェア経費の削減を重視するようになっている。ソフトウェア会社のワーカート(Workato)が各社のIT部門を対象に実施した2022年の調査では、回答者の57%が大幅経費削減の圧力を受けていると答えた。

https://techcrunch.com/2022/12/21/gynger-launches-out-of-stealth-to-loan-companies-cash-for-software/