Friday, January 06, 2023 6:02 AM

ステランティス、アーチャーのエアタクシー製造に参画

 欧米自動車大手ステランティスは4日、エアタクシーの開発を進めるアーチャー・アビエーション(Archer Aviation、本社サンフランシスコ)の電動垂直離着陸機(eVTOL)「ミッドナイト(Midnight)」の製造に協力し、同社への出資比率を高めると発表した。

 ロイター通信によると、産業界や新興企業は、垂直離着陸機能で道路交通の渋滞を避け、空港や都市間の短距離移動を可能にするエアタクシーへの投資を増やしている。

 「ミッドナイト」は、乗客4人とパイロット1人が搭乗でき、航続距離は100マイル(161km)。2024年からジョージア州コビントンで製造される予定で、年間生産台数2300機が目標だという。20マイル程度の短距離を往復し、その間の充電時間は約10分となるように設計されており、ステランティスはこれを独占的に受託生産することを目指している。

 ステランティスは、特定の事業目標の達成を条件に、アーチャーが任意で引き出せるよう23年と24年に最大1億5000万ドルの資金を提供する。また、市場での株式購入を通じてアーチャー株の持ち分を増やす予定。ただし少数株主にとどまる意向で、カルロス・タバレスCEOは「目的は支援であり、支配ではない」と述べた。

 自動車業界が関与するeVTOL開発事業にはほかに、現代自動車グループのエアタクシー部門と航空宇宙大手ハネウェル・インターナショナルによるアビオニクス(航空機に搭載される飛行のための電子機器)システムの開発協力などがある。

 自動車業界は電池の設計でかなり先行しているが、現行世代の電池は重く、新型車の航続距離や積載量を制限する要因になっている。欧州の航空機大手エアバスは22年11月、仏自動車大手ルノーと提携し、自動車と飛行機向けに新世代の電池とハイブリッド技術を開発すると発表している。