Tuesday, January 24, 2023 11:52 AM

アップル、アイフォーンの25%をインドで生産へ

 インド政府のピユシュ・ゴヤル商業&産業大臣は1月23日、アップル(Apple)がアイフォーンの25%をインドで生産することを検討している、と発表した。

 CNBCによると、「アップルは、アイフォーン製造の約5~7%をインドで行っている」「私の誤認がなければ、同社はその割り合いを25%まで拡大させることを目指している」とゴヤル氏は会議で明言した。

 アップルの広報担当は取材に応じていない。

 インドは、世界第5位の経済大国で、それほど遠くない将来にドイツと日本のGDPを追い抜き、人口14億人以上の購買力がこれから急速に強まるとみられる。インドの人口の世代構成は中国とは大きく異なり、若い世代が非常に多いことから、将来の消費市場としての魅力も大きくなるばかりだ。

 アップルは2022年に、新型コロナウイルス・パンデミックを受けた中国内の供給網停滞や、米中関係緊張悪化といった地政学的要因を受けて、製造過程の一部を中国から他国に移管する動きを加速させた。旗艦機種のアイフォーン14の一部については、インドでの組み立てをすでに開始しており、そのほかの製品の一部もベトナムに移管する準備に着手している。

 アップルは、インドでのアイフォーン組み立てを2017年に始めたが、昨年までは旧型機種がその対象だった。最新の旗艦機種をインドで組み立て始めたのは昨年後半が初めてだ。

 アイフォーンの組み立てを中国工場で請け負っている台湾フォックスコンは、インド東部のチェンナイ郊外にあるシュリプルブードゥア工場でアイフォーンを組み立てている。

 アップルは現在、インドのスマートフォン市場のわずか5%しかにぎっていないが、インドの今後の経済成長と購買力拡大を視野に、インド国内での組み立てを増やすことで、アイフォーン価格を引き下げ販売増を刺激するとともに、供給網と販売での脱中国を加速できるという一石二鳥をねらっている。

https://www.cnbc.com/2023/01/23/apple-looking-to-boost-iphone-production-in-india-to-25percent-minister.html