Thursday, February 09, 2023 11:39 AM

IBM、手軽に使える新型スパコンを発表

 IBMは2月7日、人工知能の基盤モデル群に学習させるための研究&開発をおもな目的として、人工知能の用途に特化した新しいスーパーコンピューター「ヴェラ(Vela)」を独自に構築したことを発表した。

 ベンチャービート誌によると、ヴェラは、クラウド・ネイティブ・システムとして設計されており、x86シリコンやエヌビディアのGPU(graphics processing unit)、イーサーネット接続を含め、業界標準のハードウェアで構成される。

 クラウド・ネイティブであるため、利用料金を従来型より安く設定できる。したがって、スパコンで走らせる人工知能をクラウド経由で提供することで、一般の会社らにとって使いやすい存在になると期待される。

 基盤モデルとは、大量のデータを使って学習させた汎用の人工知能のことで、機械学習の使い方を大きく変えつつある。強力なモデル群である一方で、それらを構築するには多大の演算力が必要になる。

 ヴェラには、基盤モデル群の学習を可能にするソフトウェアとして、クーバネティース(Kubernetes)やパイトーチ(PyTorch)、レイ(Ray)といった一連のオープン・ソース技術が採用された。

 IBMは、ヴェラの存在をこのほど初めて明らかにしたが、2022年5月からさまざまの用途に試験的に使ってきた。

 「われわれは、基盤モデル群の技術概念に巨大かつ破壊的(現状を打破する革新力)な潜在性があると考えているため、同技術に積極的に投資している」と、IBMのハイブリッド・インフラストラクチャー研究責任者タリア・ガーション氏は話している。

 同社は、これまでにも独自の高性能コンピューターやスパコンを構築してきた。同社の「サミット」は、現時点で世界最速のスパコンの一つに位置づけられ、オークリッジ国立研究所で稼働している。

 サミットがIBMの「パワー(Power)」プロセッサーを使っているのに対し、ヴェラはインテルの「ジーオン・スケーラブル(Xeon Scalable)」プロセッサーを2個使っている。また、各ノードにエヌビディアの80GB(ギガビット)の「A100」GPUを8個搭載している。接続には毎秒100GBのイーサーネットを各ノードにつき複数使用している。

 IBMは先週、米航空宇宙局(NASA)と協力して気候科学のための基盤モデル群構築を支援すると発表したばかりだ。

 基盤モデル群に関する活動としては、2022年10月に発表されたレッド・ハットの「プロジェクト・ウィズダム(Project Wisdom)」の開発もある。

https://venturebeat.com/ai/how-ibms-new-supercomputer-is-making-ai-foundation-models-more-enterprise-budget-friendly/