Tuesday, March 21, 2023 3:19 AM

アマゾン、配送センターの計画外保守管理時間を70%近く削減

 アマゾンが配送センターの設備機器を監視するために2020年12月に導入した機械学習システムが、業務効率化の大きな成果を挙げている。

 ベンチャービート誌によると、アマゾン・モニトロン(Amazon Monitron)と名づけられている同システムは、荷物を仕分けするための各種の設備や機器類の異常を早期に検出することを目的としている。

 モニトロンは、1)振動や温度のデータを検出するための検知器と、2)クラウドにデータを送信するためのゲイトウェイ、3)機械学習技術を使ってデータを分析し異常パターンを検出するためのサービス、4)現場の担当者らが使うモバイル・アプリケーションで構成されている。

 同社はモニトロンを導入した結果、配送センターの設備に生じる計画外の保守管理(整備、点検、修理)時間を70%近く削減することができた。それが究極的には、配達時間の短縮に役立っている。

 計画外の保守管理は、同社にとって大きなコストとなる。クリスマス前の繁忙期ともなると、仕分け機が3時間にわたって故障するだけで3万件以上の配達の遅れにつながる。

 「当社が実行している重要なことの一つが、機械学習のような先進技術を大規模に応用して、実世界の問題を解決することだ」と、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)の人工知能サービス担当副社長ヴァシ・フィロミン氏は話す。

 アマゾンによると、設備機器を担当している技師らの人数は、配送センター1ヵ所につき最大80人に上る。モニトロンの導入前には、それらの担当技師らが施設内を巡回して、超音波や温度計で機器類のデータを読み取り、測定値を手作業で分析して、機器の状態を判断していた。

 モニトロンは、振動と温度のデータを1時間おきに自動的に集めて分析し、故障の可能性を数時間以内に検出する。以前であれば検出に4週間かかることもあった。モニトロン導入後の1年半のあいだに、世界各地の88ヵ所のアマゾン配送センターで7300件の問題を回避できたことが確認された、とフィロミン氏は説明した。

https://venturebeat.com/ai/how-aws-used-ml-to-help-amazon-fulfillment-centers-reduce-downtime-by-70/