Monday, May 08, 2023 11:58 AM

メタ・プラットフォームス、人工知能チップの開発に注力

 メタ・プラットフォームス(Meta Platforms)はこのほど、英国拠点のチップ新興大手グラフコア(Graphcore)で人工知能ネットワーキング技術を2022年末まで構築していたオスロ拠点の開発班を買い取った。

 ロイター通信によると、2022年12月または2023年1月までグラフコアで働いたのち、ことし2月か3月にメタに入社した、とリンクトインで公表した10人のチップ技術者らを採用した、とメタのジョン・カーヴィル広報担当者は取材に答えた。

 メタがそれらの人材を採用したことは、自社データ・センター群で人工知能を走らせる基幹設備の大幅拡充を図る方針を明示するものだ。それは同時に、人工知能ソフトウェアの稼働を最適化するチップの開発に注力していることを意味する。フェイスブックとインスタグラムを擁するメタは、標的広告や利用者投稿管理、禁止コンテントの特定や排除に人工知能を使っている。

 メタは、マイクロソフトやグーグルと同様に、生成人工知能ボット「チャットGPT」を自社サービス群に統合しようとしている。そのためには人工知能チップの開発が欠かせない。

 同分野では、エヌビディアが最強であり、AMD(Advanced Micro Devices)も台頭している。グラフコアは、米チップ大手らが牛耳る米市場への進出をねらっていたが、苦戦を強いられたため、大がかりの事業縮小の一環として2022年10月にオスロの開発班を閉鎖した。

 効率的な人工知能ネットワークは、チャットGPTや画像生成ツール「ダーリー(Dall-E)のような生成人工知能システムにとって非常に有用だ。それらのシステムは、単一のコンピューター・チップに収めるにはあまりにも大きく、多くのチップに分散して接続する必要がある。

 エヌビディアやAMD、インテルらはいずれもそうった人工知能ネットワーク・チップを製造している。

 メタのねらいは、人工知能ネットワーキングに加えて、人工知能モデル群の訓練と推論(訓練されたモデルが判断を下し、プロンプトに対する回答内容を生成する過程)の両方を行う複雑な高等電算チップの設計だ。その準備は2025年くらいまで続く、とメタは話している。

https://www.reuters.com/technology/meta-platforms-scoops-up-ai-networking-chip-team-graphcore-2023-05-05/