Thursday, May 25, 2023 11:53 AM

エヌビディアとデル、顧客事務所で生成人工知能を提供

 エヌビディア(Nvidia)とデル(Dell)は、これまでの提携関係を拡大し、企業向けコンピューターに生成人工知能(generative artificial intelligence)の利点をもたらす取り組みで協力する。

 ベンチャービート誌によると、プロジェクト・ヒーリックス(Project Helix)と呼ばれるその取り組みは、ハードウェアとソフトウェア、そしてサービスを組み合わせるもので、大規模言語モデル群(large language models=LLMs)と生成人工知能がもたらす業務簡便化や自動化を顧客会社らの現場設置型IT機器類にもたらす。

 ハードウェアは、デルのパワーエッジ(PowerEdge)サーバーを基本として構成され、エヌビディアのH100テンサー・コアGPU(graphics processing unit)を搭載したパワーエッジXE9680とパワーエッジR760aが使用される。それらのハードウェアが、デルのストレージ・サービスであるパワースケール(PowerScale)およびECSと統合される。

 また、ソフトウェアには、エヌビディアのAIエンタープライズ(AI Enterprise)や、生成人工知能のためのエヌビディア・ニーモ(Nvidia NeMo)フレームワークの機能が含まれる。

 生成人工知能の機能は、これまでおもにクラウドを介して提供されてきたが、それらを各社の事務所内に設置して使えるようにすることが両社のねらいだ。

 「(生成人工知能機能の)セキュリティーとプライバシーを顧客会社らの現場に提供する」「すべての会社がLLMを必要としているため、それを各社それぞれの現場で利用可能にする必要がある」と、エヌビディアのソフトウェア管理担当副社長カーリ・ブリスキ氏は話した。

 ブリスキ氏はデルとの協業について、企業向けの用途に合致したLLMの運用体制を構築して提供することがねらいだと説明した。同氏はそれを「LLMオップス(LLMops)」と呼んでいる。

 エヌビディアとデルは、これまで何年にもわたってハードウェア製品で協力関係にあった。プロジェクト・ヒーリックスは、あらかじめ学習させた基盤モデルを簡単に複製できる形式で提供するという点でいままでにない取り組みだ、とブリスキ氏は説明した。

https://venturebeat.com/ai/nvidia-and-dell-look-to-breathe-new-life-into-ai-on-premises-with-project-helix/