Thursday, August 24, 2023 6:55 AM

ステランティス、加州リチウム生産事業に1億ドル超

 ステランティスは、地熱発電業者コントロールド・サーマル・リソーシズ(CTR)がカリフォルニア州で進めている地熱リチウム採取プロジェクト「ヘルズ・キッチン」に1億ドル以上を投資する。

 同社のプレスリリースによると、ヘルズ・キッチンは世界最大の地熱リチウム採取プロジェクトで、年間最大30万トン相当の炭酸リチウムを生産できる総資源量を持つ。今回の投資に伴い両社は当初の供給契約を拡大しており、更新後の契約では、CTRは10年間の契約期間中に年間最大6万5000トンの電池用水酸化リチウム一水和物(LHM)をステランティスに供給することになる。当初の契約では年間最大2万5000トンを供給する予定だった。

 ステランティスのカルロス・タバレスCEOは「業界をリードする当社の脱炭素化推進の基盤には、電気自動車(EV)の構成要素として低公害な生産や持続可能な供給が含まれる。北米においてクリーンで安全かつ安価なモビリティーの提供を図る上で、CTRとの今回の合意は顧客と地球への配慮に関する重要な一歩」と話している。

 CTRは、2027年にステランティスに対するLHMの供給を開始する予定で、480人の建設関連雇用と940人以上の直接雇用の創出を見込んでいる。

 ヘルズ・キッチンで採取されるリチウムは、ステランティスのEVが米インフレ抑制法(IRA)に基づく消費者向け優遇措置を受けるのに役立つ。ステランティスの戦略計画「Dare Forward 2030」では、30年までに欧州で販売する乗用車の100%、米国で販売する乗用車と小型トラックの50%をEVにする目標を掲げている。同社はこの計画に沿って、北米と欧州6カ所に電池製造工場を建設し、容量換算で約400ギガワット時(GWh)の生産能力を確保しようとしている。

https://www.stellantis.com/en/news/press-releases/2023/august/stellantis-invests-in-ctr-to-strengthen-low-emission-us-lithium-production