Monday, October 02, 2023 6:56 AM

新興アトラス、2700万ドル調達〜北米でニッケル鉱石加工へ

 重要鉱物の生産を目指す新興企業アトラス・マテリアルズ(Atlas Materials)が、シリーズA資金調達ラウンドで2700万ドルを調達した。ロイター通信が9月29日に報じた。

 シリーズA資金調達ラウンドの投資家には、グランサム・エンバイロメンタル・トラスト、ボイジャー・ベンチャーズが含まれる。これでアトラスがこれまでに調達した資金総額は3300万ドルになる。

 アトラスは、この資金を北米に建設する予定のプラントのエンジニアリングと設計に充てる予定だが、実際にプラントを建設するにはより多くの資金が必要だと認めた。

 ジェレミー・レイCEOはロイターに対し、カナダまたは米国内に3カ所の候補地があり、そのいずれかで2027年までに商業規模での生産を開始し、年間1800トンのニッケル生産を目指すと語った。

 アトラスは、低品位ニッケルを廃棄物を出さない形で処理し、電気自動車(EV)用電池の材料に使えるようにする技術を開発した。具体的には、サプロライト・ニッケル鉱石をEV電池用の混合水酸化物沈殿物(MHP)に加工する。

 ニッケルの採掘には汚染が伴う可能性があるが、アトラスの新技術は塩酸と苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使って鉱石から金属を抽出するため、高圧や高温を必要とせず、廃棄物が発生せず、二酸化炭素(CO2)排出量もほぼゼロになる。