Thursday, February 08, 2024 6:17 AM

中国車メーカー、華為の生産問題で納期に遅れ

 中国の通信網機器製造大手ファーウェイ(華為技術)の電算ユニット製造に問題が生じ、中国の一部の自動車メーカーで主力モデルの納車に遅れが出ている。

 ロイターが関係筋の話として伝えたところによると、高級EVブランドの開発で華為と提携している長安汽車と奇瑞汽車(チェリー)のほか、より小規模な自動車メーカーの賽力斯汽車(セレス)などが影響を受けているもよう。

 今回の生産問題は「MDC 810」と呼ばれる電算ユニットの部品不足が原因。「MDC 810」は、車の先進運転支援システム(ADAS)に使われ、北米でテスラの「オートパイロット」が提供しているような高速道路での自動走行や渋滞回避支援など、いわゆるインテリジェントな運転機能を提供する。

 影響を受けているのは、23年10〜12月期に発売された3モデル。長安の「Avatr 12」セダン(30万800元/約4万1880ドル〜)は12月1日時点で2万台以上の注文があったが、平均2週間納期が遅れている。同社のリー・ペンチェング副社長はこの要因として「主要部品の供給問題」を挙げたが、ファーウェイの名前は出していない。長安は納車の遅れた人に最高1万5000元の補償を行う計画だという。

 チェリーのLuxeedブランドの最初のモデルである「Luxeed S7」セダン(24万9800元〜)は、11月28日時点で約2万台の注文があった。同社は、購入者が約束通りに「S7」を受け取れなかった場合、最大1万元を払い戻すと発表している。このブランドは11月に立ち上がったばかりで、ファーウェイ幹部が「S7は、性能でテスラの高級セダン『モデルS』を上回り、販売価格は量産型セダン『モデル3』よりも安い」と大いに宣伝していた。

 一方、12月に発売されたセレスのSUV「Aito M9」(46万9800元〜)は、1月26日までに2000台の初回生産分を購入者に引き渡す予定だったが、この目標に届かなかった。このほか、21年に発売された北京汽車集団(BAIC)傘下、極狐(ARCFOX)のセダン「Alpha S」も「MDC 810」を搭載している。