Wednesday, May 08, 2024 7:13 AM

ポールスターとストアドット、10分の急速充電に成功

 ボルボ・カーズの高級EV部門ポールスターと超急速充電(XFC)電池開発のストアドット(StoreDot、イスラエル)は、EV「ポールスター5」のプロトタイプにXFC電池を搭載し、容量10%から80%までわずか10分で充電する実験に成功した。

 エレクトリック・カーズ・リポートによると、XFC電池を車に実装して行う充電実験はこれが世界初。特製の電池パックは容量77kWhで、10分で中型EVに320キロメートル(km)走れるだけの電気を蓄えられる。容量は少なくとも100kWhまで増やせる可能性がある。

 今回の実験は、将来のポールスター車両に応用可能なXFC電池技術の概念実証を目的に行われた。

 シリコン正極材の電池を使ったストアドットのXFC技術は、最先端の三元系(NMC)正極材の電池と同等のエネルギー密度を持つ。また、車両に特別な冷却システムを必要としない。XFCセル(電池の単体)を集合させたモジュールは、重量レベルを維持または削減しながら、機械的特性と冷却能力を向上させる構造機能を持ち、高いリサイクル性と保守性もある。

 実験ではまた、XFC技術が現行のDC(直流)充電インフラで機能することが証明された。これで充電時間の短縮が期待でき、今回の10分という数字はガソリンエンジン車の燃料補給時間にかなり近づいた。さらに、充電に必要な出力が開始時から終了時まで安定しているため、適切な充電器があればドライバーは充電率50%の状態で5分間停車すれば80%以上で移動を続けられる。