Tuesday, June 11, 2024 7:05 AM

大きな買い物もスマホでどうぞ〜小売り各社があの手この手

 スマートフォンを使って商品をオンライン購入するモバイル・ショッパーが増えているが、まだ高い買い物をする時はラップトップのパソコンを使う人が多い。このため売り手はできるだけスマホで衝動買いをしてもらおうと知恵を絞っている。

◇売上構成比はデスクトップ超え

 ウォールストリート・ジャーナルによると、モバイルeコマースは何年も前から未来の買い物の形として歓迎され、インターネット通販店のほか航空会社やホテルも、消費者の目を引くためスマホに最適化したアプリの提供やウェブサイトの刷新に取り組んできた。

 売り手側は、プッシュ通知やスマホ限定の特売などで消費者の購買意欲をかき立てており、こうした努力の結果、アドビのデータによると直近の年末商戦期はオンラインの売上構成比でモバイル・ショッピングが初めてデスクトップを上回り、クリスマス当日は61%に達した。

 ただし、高額の買い物ではまだパソコンを使う人が多い。理由は、小売業者のアプリやモバイル版ウェブサイトが嫌い、クーポンや価格変動を追跡する拡張機能を備えたウェブブラウザを好む、カレンダーや地図を確認するため別のウィンドウを開きたい…などさまざまで、スマホで急いで買い物をして間違った航空券を買った経験があり、慎重に買い物をするためにもラップトップを使いたいという人もいる。

 シアトル拠点の新興マーケティング企業で副社長を務める女性(38)は、買い物の前には必ずラップトップを開き、クーポンを検索し、クレジットカードの特典を最大限に活用するという。目の前にコンピューターがあり、パスワード・マネジャーが手元にあればカード情報の入力も簡単で、航空券を予約する際はカレンダーも確認できるからだ。専門家は、移動中でも使える電話と違ってパソコンは家やオフィスで使うため、気持ちを集中しやすいと指摘する。