Monday, June 24, 2024 7:33 AM

テスラ、EV電池の企業秘密盗用で元取引先を提訴

 EV大手テスラは、電池の製造工程に関する企業秘密を盗み競合他社と共有したとして、元取引先のマシューズ・インターナショナル(Matthews International、本社ペンシルベニア州ピッツバーグ)をカリフォルニア州連邦裁判所に提訴した。

 ロイターによると、テスラは訴状で「マシューズは乾式電極リチウムイオン電池の製造工程に関するテスラの企業秘密を悪用した。控えめに見積もっても10億ドルを超える損害賠償を支払う義務がある」と主張している。

 マシューズは声明で「テスラの訴えは、マシューズをいじめ、当社の貴重な知的財産を不当に奪おうとする同社の継続的な努力の一つに過ぎない」と反論し、「精力的に闘う」構えだ。

 訴状によると、マシューズは2019年にテスラに製造機械の供給を開始し、テスラはドライ電極コーティングに関する機密をマシューズと共有した。この技術は電池のエネルギー密度と出力を高めると同時に、電池製造工場の規模、コスト、エネルギー消費量、生産サイクル時間を劇的に削減できるという。

 テスラは「マシューズは、テスラの企業秘密を具現化した機械やその他の技術を販売することで、テスラの技術革新を競合他社と共有した」と主張。また「マシューズはテスラの機密情報を明らかにした特許出願の書類で、テスラの発明を自社の発明だと主張した」とも述べている。

 テスラは、金銭的賠償の請求に加え、マシューズによる企業秘密の悪用差し止めと、特許出願書類の引き渡しを求めている。