Monday, July 01, 2024 7:01 AM

自動車業界で電池材料・半導体メーカーの役割重要に

 自動車業界では、EVの台頭やソフトウェアの重要性の高まりを背景に、電池材料メーカーや半導体メーカーといった比較的新しく参入してきた企業が急速に重要な役割を担い始めている。

 オートモーティブ・ニュースによると、リチウム、コバルト、グラファイト(黒鉛)といった原材料の生産および加工業者は、世界的なEVの生産拡大に伴い、自動車メーカーや電池メーカーからの需要がますます高まっている。

 また、環境コストや物流面のリスクを回避するため、原材料の調達が多角的になっている。電池材料となる人工黒鉛の供給大手ノボニクス(Novonix、本社オーストラリア)は最近、パナソニック・エナジーに1万トンの人造黒鉛を供給する契約を獲得した。ノボニックスは通常30日かかる黒鉛の製造を数日でできる技術を持っており、生産過程のエネルギー使用量削減につながるという。

 黒鉛生産のグラフジェット(Graphjet、マレーシア)や電池材料会社イプシロン・アドバンスト・マテリアルズ(Epsilon Advanced Materials、インド)も、ここ数カ月で北米における新しい黒鉛生産・加工施設の建設計画を発表している。

 一方、平均的な新車のマイクロチップ搭載数が増え続け、業界の半導体メーカーへの依存度も高まっている。米国半導体工業会(SIA)によると、マイクロチップメーカーは米国内だけでも製造能力の拡大に2500億ドル以上を投じている。世界のチップ販売に占める自動車業界の比率は現在約17%だが、そのシェアは拡大しており、インフィニオン、NXP、STマイクロエレクトロニクスといった企業はサプライチェーンにとってますます重要な存在になっている。

 エヌビディア、クアルコム、モービルアイなどのテクノロジー大手も、自動車サプライチェーンでの重要度が増している。各社とも、車載ソフトウェア、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転技術関連のビジネスを争っており、それぞれ今後数年間で数十億ドル分の製品を供給する契約を確保している。