Friday, July 05, 2024 7:08 AM

ユニグリッド、1200万ドルを調達〜ナトリウムイオン電池開発を加速

 カリフォルニア大学サンディエゴ校から分離独立したナトリウムイオン電池開発会社ユニグリッド(Unigrid、カリフォルニア州)は、データセンターに導入できる低コストの電池を開発するため、シリーズA資金調達ラウンドで1200万ドルを調達した。

 データセンター・ダイナミクスによると、資金調達はトランジションVCとリッツ・ベンチャー・キャピタルが主導し、ユニオン・スクエア・ベンチャーズと既存投資家のフットヒル・ベンチャーズも参加した。調達した資金は、電動モビリティーと定置型蓄電市場におけるメガワット時(MWh)規模の大容量の注文に応えられるよう、電池生産を加速させ、規模を拡大するために使う。

 ナトリウムイオン電池は、蓄電システムや電気自動車(EV)向けで最も一般的なリチウムイオン電池よりも原材料の調達がはるかに容易なため、製造コストを低く抑えられる。しかし、リチウムイオンに対抗できるエネルギー密度をまだ達成できていないため、大きくて重く、専用の電子制御システムが必要になる。

 ユニグリッドは、電池の半分に酸化クロムナトリウム、もう半分にスズを使う新しい仕組みによってこの問題を解決できたと考えており、共同創業者のダレン・タンCEOによると、同社の電池パックはリチウムイオン電池と同じ大きさで、同じ出力を提供し、同じ電子システムに接続できるという。

 また、ナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池よりも熱暴走が起こりにくいという利点もある。