Monday, September 30, 2024 7:09 AM

アンシブルとMダイナミクス、遠隔車両開発の強化で提携

 運転シミュレーター開発の英アンシブル・モーション(Ansible Motion)とドイツの車両開発ソリューション会社Mダイナミクス(MdynamiX)は、ステアリング、ブレーキ、先進運転支援システム(ADAS)の開発強化を目的に提携した。

 ADAS & オートノマス・ビークル・インターナショナルによると、両社は、実際の配備可能なハードウェアやソフトウェアをコンピューター上の評価機能と組み合わせることで、エンジニアが車両開発の早期から頻繁にシステムを体験、評価できるようにしたいと考えている。

 アンシブルのドライビングシミュレーターは、すでに中国、韓国、米国、欧州の自動車メーカーやティア1サプライヤーから安定した需要を得ており、同社のDILシミュレーターの汎用性と機能によって、エンジニアは開発段階のかなり早い段階で車の機能を改良、検証する新しい方法を見出している。

 今回の提携では、実際の車両を使うことなくステアリングやブレーキシステムの実物を調整できるようにする。アンシブルのダン・クラーク氏は「開発プログラムでは、試作車が遅れて到着したり、日程的な制約でブランド確立に重要な特性を微調整する時間が制限されることがよくある」と、遠隔車両開発技術が必要な背景を説明する。

 Mダイナミクス のステアリングとウェットブレーキソリューションは、アンシブルのDILシミュレータに統合可能なHIL機能を提供し、これによる現実的なフィードバックでエンジニアにシミュレーション環境を提供する。さらに、電動パワーステアリング(EPS)と電子安定化プログラム(ESP)の予備的な適合と実装にも役立つ。

 Mダイナミクスのバーンハード・シックCEOは「特に、古典的なMIL/SIL/HILシミュレーションが限界に達し、テストドライバーの主観的な印象やチューニング能力が次のステップとなる場合は、実際のコンポーネントを使用したドライビングシミュレータに大きな利点がある。その結果、より早くより適切な決断を下すことができ、より迅速な開発が可能になる」と話している。