Friday, June 12, 2026 7:22 AM

日産・オックスフォード大・ジェライオン、EV用全固体電池を共同開発

 日産、オックスフォード大学、英電池材料メーカーのジェライオン・テクノロジーズ(Gelion Technologies)は今月、高い充電性能、エネルギー密度、寿命を備えた全固体リチウム硫黄電池の開発プロジェクト「CoRe-SoLiS」を立ち上げる。エレクトライブが伝えた。

 英国政府の支援を受ける同プロジェクトは、ジェライオンが開発したナノカプセル化硫黄(NES)正極材料を全固体電池に組み込み、日産の将来のEVに搭載することを目指す。

 ジェライオンの技術は、リチウムイオン電池で使われている従来型正極をナノカプセル化硫黄に置き換える技術。ナノカプセル化硫黄は、微細な硫黄粒子をポリマーや金属酸化物などで包み込んだ複合材料で、低コストかつ調達しやすく、既存の生産ラインにも導入できる。

 日産は英国の日産テクニカルセンター・ヨーロッパ(NTCE)を通じてプロジェクトに参加する。オックスフォード大学も参加し、総事業費は340万ポンド(約390万ユーロ)に達する見込みで、このうち約3分の2に当たる240万ポンドが公的資金で賄われる。

 共同開発チームは、ジェライオンの革新的なNES系正極活物質と日産の高度な全固体電池開発能力を融合することで、全固体電池の量産・普及の主な障害である耐久性とコストの問題を解決できると考えている。硫黄系電池には技術的課題もあり、リチウム硫黄(Li-S)電池では、硫黄化合物(ポリサルファイド)の生成による性能の急激な低下やサイクル寿命の制限といった問題が知られるが、チームはNES技術がこうした制約を克服し、硫黄系正極では実現不可能と考えられていた水準の性能を達成できると見ている。

 CoRe-SoLiSの成果は、将来の量産化、製造、商業化の取り組みに活用され、自動車および蓄電システム分野での協力拡大につながる可能性がある。

 ジェライオンはTDK、英キネティック(QinetiQ)、およびドイツのマックスプランク研究所(Max Planck Institute of Colloids and Interfaces)とも協力関係にある。