Wednesday, October 16, 2024 6:57 AM

エネルXウェイ北米部門、EV充電事業を停止

 電気自動車(EV)充電施設会社エネルエックスウェイ・ノースアメリカ(Enel X Way North America)は、10月11日をもって事業を終了した。家庭用EV充電器「JuiceBox」の所有者にとっては悲報となり、米国とカナダでのJuiceBoxのソフトウェアとコネクティビティーサービスはすべて終了した。

 エネル・エックスウェイ・ノースアメリカはイタリアの電力大手エネルの子会社。2030年までに北米で200万カ所の充電ポイントを運営する目標を掲げていた。個人向けの充電設備では、壁掛け用充電器(ウォールボックス)としてJuiceBoxを販売した。

 エレクトライブによると、10月上旬に突然発表された米国とカナダからの撤退は、高金利と米国のeモビリティー市場の成長鈍化という厳しい財務環境が背景にある。エネルが充電器を提供したいのは、電力トレーディング市場を通した電力売買が活発な国だけで、米国とカナダでは充電製品(ハードウェアとソフトウェア)だけを販売していた。

 エネルエックスウェイのソフトウェアも、北米では使えなくなるため顧客は厳しい決断を迫られる。顧客からの報告によると、EVはまだJuiceBoxで充電できるが、電力系統への接続サービスはすでに停止されている。「Enel X Way」アプリと、北米部門が提供する他のすべてのeモビリティー・アプリも廃止され、アップルのアップストアから削除される。

 商業用の充電施設は、より大きな打撃を受ける可能性が高い。充電プロセスを認証し、課金するためのソフトウェアが働かなければ運用は不可能と思われる。カスタマーサポートはすでに中止された。

 これまでに、EV充電ソフトウェア開発のチャージラブ(ChargeLab、カリフォルニア州)がJuiceBoxの商用ネットワークを引き継ぐと発表している。