Tuesday, March 11, 2025 7:21 AM

玩具業界も関税による深刻な影響を懸念

 トランプ政権の関税政策は、玩具業界にとっても大きな懸念事項となっている。

◇業界の回復が困難に

 ウォールストリート・ジャーナルによると、玩具業界は中国からの輸入比率が高く、3月初めにニューヨークで開催された業界展「トイフェア」では、大手から中小まで中国製品への依存度が高い数百の玩具メーカーが、生産をどこに移すべきか、価格がどこまで上がると消費者は購入を控えるのかといった懸念を口にした。

 大手は、販売業者との値段交渉や世界的なサプライチェーン(供給網)の配置換えによってコストの抑制を図っているが、中小企業にはそのための経営資源がない。玩具協会のグレッグ・エイハーンCEOは「玩具への関税の影響を回避できる安全地帯が今はどこにもなく、この不確実性がビジネスに影響を与えている」と話す。

 米玩具業界は、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに売り上げが急増したものの、ここ2年間はほぼ横ばい状態だった。関税は企業のコストを押し上げるだけでなく、消費者の購買意欲を削ぐ要因にもなるため、業界の回復がより厳しくなる。エイハーン氏は「規模の大小を問わず、どの企業も20%以上のコスト増には耐えられないと言っており、その負担は間違いなく米国の消費者に転嫁されるだろう」と警告している。