Monday, March 17, 2025 7:12 AM
アデン、メーカー向けに全固体電池のサンプル生産開始
ハーバード大学の研究チームが設立した固体電池開発企業アデン・エナジー(Adden Energy)は、マサチューセッツ州ウォルサムに新設したパイロット生産ラインを稼働させた。
エレクトライブによると、ここで作ったパウチ(小袋)形電池のサンプルは自動車メーカーなどに送って検証してもらう予定で、すでにメーカーなどからの注文を受け付けている。
リチウム金属をベースにした全固体電池は、充電時間をガソリン補給並みに短縮しながら航続距離を2倍に延ばせる可能性があり、市場投入を望む声は多い。アデンは、電池の性能だけでなく、全固体電池が既存の生産設備で製造できるという点も重視しており、これを念頭に 「入手しやすい従来型の製造装置を使って、この次世代電池を製造するプロセスを開発した」と説明している。新しいパイロット・ラインはそれを証明する内容で、夏にはフル生産に達する予定だという。
プー・チャン最高製品責任者(CPO)は「最初の試作品は、既存のリチウムイオン電池技術よりエネルギー密度が50%高いだけでなく、10分以内で充電でき、不燃性という利点もある。これで、リチウムイオン電池製造で一般的に使われているのと同じ装置で新型電池を製造できることも証明され、規模拡大と量産に向けた明確な道筋が開かれた」と述べた。
アデン・エナジーは2022年、ハーバード大学発祥のスピンオフ企業として注目され、技術ライセンスを取得して15万ドルのシード資金を調達した。また、自社開発したリチウム金属電池の充電時間が実験室でわずか3分、寿命は充放電1万サイクル以上という声明を発表して話題を呼んだが、これはまだ車載用電池として開発する前の段階だった。