Tuesday, August 19, 2025 7:14 AM

ボルボ、体格に合わせて設定を自動的に変更するシートベルトを発表

 スウェーデンのボルボ・カーズは、事故発生時、体格に合わせて設定を自動的に変更して乗員保護効果を高める世界初の「マルチアダプティブ・シートベルト」を発表した。

 ADAS & オートノマス・ビークル・インターナショナルによると、2026年に発売予定の完全電気自動車(EV)「ボルボEX60」に最初に搭載される予定。このベルトは、車内外の高度なセンサー群から得られるリアルタイムデータを活用して、交通状況(衝突の方向や速度)や着用者の特性(身長、体重、体格、座り方など)を分析し、それに合わせて保護性能を自動的に最適化する。

 大柄な人の場合、重大な事故が起きた際はベルト荷重がより高く設定され、頭部の損傷リスクを軽減する。一方、小柄な人が軽度の事故に遭った場合は、肋骨骨折のリスクを軽減するため低めのベルト荷重が設定される。これは、事故発生時に体にかかる力を管理する「荷重制限プロフィール」のバリエーションを従来の3段階から11段階に拡張することで実現されている。

 このシートベルトはソフトウェアの無線更新にも対応しており、ボルボが新しいデータや洞察を得るたびに、乗員の理解や新しいシナリオへの対応力が高まるという。

 現代の3点式シートベルトは、1959年にボルボが発明し、これまでに100万人以上の命を救ったと見られている。マルチアダプティブ・シートベルトはその機能を大幅に刷新する発明で、ボルボは「自動車安全の新しい節目」と位置付けている。