Thursday, August 21, 2025 6:57 AM

ゴーション、EV電池生産へ〜イリノイ州で9月から

 イリノイ州マンテノで電池工場の建設を進めていた中国の電池大手ゴーション・ハイテック(Gotion High-Tech、国軒高科)は、9月からEV用電池生産を開始する。2年前に発表した20億ドル規模のプロジェクトが本格的に動き出す。

 ゴーション・アメリカスのチェン・リー社長がクレインズ・シカゴ・ビジネス誌に語ったところによると、EV電池と商用充電器を組み立てるライン2本と、太陽光発電などの用途に向けた住宅用・消費者向けエネルギー貯蔵製品を製造するラインを含め、同社はマンテノで5本の生産ラインを稼働させることになる。

 ゴーションは、旧Kマート配送センター(150万平方フィート)を電池生産施設に改装・拡張しており、最終的に2600人の雇用を見込んでいる。これは過去20年間にイリノイ州が誘致した最大級の製造プロジェクトの一つ。

 州との5億3600万ドルの優遇措置契約に基づき、ゴーションは28年末までに150人、29年末までに少なくとも1650人を雇用する必要がある。

 リビアンやフォルクスワーゲン(VW)などを顧客に持つゴーションは、カンカキー郡北部の人口約1万人のマンテノで現在250人超を雇用する。リー氏によると、従業員の90%以上が地元出身で、年末までに300人に達する見込みだという。

 トランプ第2次政権の発足でEVを取り巻く国内の環境は劇的に変化しているにもかかわらず、ゴーションのプロジェクトは前進を続けている。消費者向けEV購入に対する連邦税優遇措置は9月30日に終了する予定で、連邦政府による製造業へのインセンティブの見通しは不透明だ。