Friday, August 28, 2026 7:13 AM

アンドロイド系新マルウェア、車のソフト更新狙う

 車載コンピューターシステムを標的とする新しいアンドロイド系マルウェア(不正ソフト)が見つかった。

 ハイテク総合メディアPCマガジンによると、ウイルス対策ソフト大手Kasperskyが6月に発見し、今月発表した。インフォテインメントシステム、通信機能、ナビゲーションなどを制御する「車載ヘッドユニット」に感染するよう設計されており「このタイプのディバイスに特化した感染経路のマルウェアが、車載ヘッドユニット上で確認されたのは初めて」と説明している。

 見つかったのは、アンドロイド系車載ヘッドユニット向けにソフトウェアを開発するDoFun(香港拠点)の組み込み型ファームウェアアップデーター内。「JarService」という正体不明のアプリとして動作していた。

 特に異例だったのは、通常のユーザーアプリと同じようにインストールされるにもかかわらず、正規のソフトウェアを装うような試みが一切なかったことで、ユーザーインターフェイスすら存在しなかった。マルウェアを送り込むために利用されたのは、本来は分析データを収集し、ヘッドユニットのソフトウェアを更新する正規のシステムアプリケーションであるTWCoreと呼ばれる機能。つまり、何者かがDoFunのITシステムを改ざんし、正規のソフトウェア更新機能を利用してマルウェアを配信した可能性を示している。

 アンドロイド系マルウェアは通常、パスワードや銀行アプリへのアクセスなど、より価値の高い情報を持つスマートフォンを標的にすることが多く、自動車を狙った今回のケースは珍しいが、このマルウェアは車載ヘッドユニットを「ボットネット」、つまり感染したコンピューターのネットワークの一部として利用するよう設計されていた。9種類のコマンドが組み込まれ、中にはコンピューターコードをダウンロードして実行する機能や、Webリンクを開く機能なども含まれており、最終的な目的は、感染したヘッドユニットを利用して広告の表示や広告をクリックなど偽の操作を自動的に行わせるオンライン広告詐欺のためだった可能性が高い。

 DoFunはすでに「セキュリティ上の問題を修正した」と報告している。またKasperskyは、類似した命名パターンや、攻撃に使われたインフラの大幅な重複が確認されたことから、今回のマルウェアがBadBoxと呼ばれる別のアンドロイド系マルウェアと関連している可能性も指摘した。