Monday, November 21, 2016 10:20 AM

飛行機代の補償請求承ります〜欧州中心にサービス急成長

 欧州を中心に、空の便の遅れや欠航に対する補償を乗客に代わって航空会社に請求するサービスが増えており、急成長している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、乗客はこれまでも弁護士から消費者擁護団体までさまざまな仲介サービスを使って補償を請求できたが、手続きにかかる費用が報酬額を上回ることが多く、最初から諦める例が多かった。しかし、エアヘルプ(AirHelp)、フライトライト(Flightright)、EUクレーム(EUclaim)、ゲート28(Gate28)といった新興サービスは、手続きをデジタル化することで補償の請求を大衆向けサービスに変えており、航空会社と乗客の力関係を変える可能性もある。

 デンマークで設立されたエアヘルプの場合、航空利用者の過去3年間の電子メールを調べて予約情報と実際の離着陸時間を照らし合わせ、その客に賠償請求権があるかどうか、いくら受け取れるのかを迅速に知らせており、手数料や法務経費は取らず、勝ち取った賠償金の最低25%を取り分としている。

 こうした代理請求サービスは急成長しており、EUクレームは2007年以降に航空会社から5800万ユーロの賠償金を勝ち取ったが、このうち2000万ユーロ超は今年の回収額となっている。またエアヘルプは、設立された13年から15年までに航空利用者40万人の代理となって計2800万ユーロを回収したが、16年は上半期だけで80万人のために5700万ドルを回収した。

 これに対し、米運輸省が過去9カ月に旅客規則違反(過剰予約)で航空会社から受け取った罰金は214万ドルにとどまっている。