Wednesday, November 23, 2016 10:06 AM

ハンガリーの自動運転技術企業、米国に進出

 自動運転技術開発に取り組むハンガリーの新興企業エイアイモーティブ(AImotive、旧アダスワークス)は、 自動車部品大手ボッシュや半導体大手エヌビディアを含む投資家から1050万ドルの資金を調達し、シリコンバレーに事務所を開設した。

 ロイター通信によると、AIモーティブは車の周辺情報を収集する低コストのシステムに人工知能(AI)を組み合わせたソフトウェアを開発しており、2年以内には自動運転を可能にする市販用システムの準備が整う見通しだという。買収対象となることも想定しており、ラスロ・キションティ最高経営責任者(CEO)は「統計的に見れば恐らく買収されるだろう」と話している。

 今年は5月にゼネラル・モーターズ(GM)が自動運転技術のクルーズ・オートメイションを7億ドルで買収しており、既存大手による買収の対象がシリコンバレーの新しい関連企業全体に広がっている。

 キションティCEOは「このプランを単独で遂行できる自動車メーカーは少ないと思うので、ハードウェアにとらわれず異なる相手に対して中立なわれわれのような専門家がソフトウェア技術で彼らを支援することができる」と述べた。

 当初は技術者が15人だったAIモーティブは、現在技術者や研究者120人を抱えるまでに成長しており、2017年には日本と中国にもオフィスを開く予定。同社のシステムは市販の部品を使うことでコストを抑えており、車1台分のシステムに1台約15ドルのカメラを6〜12台使っている。

 これに対して現在グーグルの自動運転車が搭載するベロダイン製のレーザーを使ったリモートセンシング技術「LIDAR」は約7万5000ドルで、関連メーカーは可動部品を減らすことでコストを約100ドルまで削減しようとしている。

 より速くパワフルなチップで動くAIは、業界関係者の多くが自動運転車の重要な機能になると見ている高精細立体地図の代わりとなる可能性もある。