Friday, July 01, 2016 10:10 AM

オンライン客は迅速配送に期待〜小売店の利益を圧迫

 オンラインで買い物をする人々の、商品配送に対する期待がますます高まっている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、コンサルティング会社アリックスパートナーズ(AlixPartners)が国内消費者1000人以上を対象に実施した調査では、期待する注文商品の配達日数は平均4.8日と12年の5.5日から短くなっており、5日以上待ってもいいという人は74%から60%に減少した。

 回答者の半数以上は即日配送サービスを利用したことがないが、商品の購入決定には無料配送の有無が大きく影響しており「どんな配送方法が提供されているかを基に商品を物色している」という人が過半数を占めた。これは、競争が激化するeコマースで配送の役割がますます重大になっていることを示し、アリックスパートナーズの供給チェーン担当者は「期待の高まりはアマゾンやウォルマートといった大手の影響と考えられる。消費者は両社のeコマースのやり方を気に入っているため、他社も同じサービスを提供せざるを得ない」と分析している。

 しかし、商品の戸別配達は非常にコストがかさむため、小売店の収益性は圧迫されている。さらに今後は住宅改装用品や家具といったかさばって物理的に配達の難しい商品の需要も増える見通しで、過去12カ月間に購入した家具を自宅に届けてもらったという人は回答者の4分の1だったが、今後1年間にそうする予定という人は30%に上っており、アパレルや書籍など既存のオンライン小売り分野より急速に伸びている。

 大型商品は特別な取り扱いを要することが多く、荷台スペースも取るため輸送代が割高になり、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)とフェデックスはいずれも大型荷物の配送料金を引き上げている。