Wednesday, December 07, 2016 10:59 AM

広告の目標到達率が向上〜モバイル向け、パソコン並みに

 モバイル広告の対象絞り込みの精度が大幅に改善し、宣伝効果が強まっている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、携帯情報端末で消費されるメディアの情報量は過去10年間で急増したが、これまでは消費者を正確に把握できないことなどから、販売企業のモバイル広告導入は比較的進み方が遅かった。しかし、ニールセンの最新報告「Digital Ads Benchmarks and Findings」によると、モバイル広告の対象絞り込みの精度はこの1年で大きく向上している。

 デジタル・アド・レーティング・サービスのデータを同社が分析した結果、2016年4〜6月に出されたモバイル広告が狙った年齢層や性別に届いた比率は60%となり、前年同期の49%から上昇した。報告書は「今や携帯広告キャンペーンの目標到達率はデスクトップ・キャンペーンと同水準になり、デジタル広告の利用を検討する情報媒体の買い手や売り手の判断に影響を与える可能性がある」と指摘する。

 広告の目標到達率は対象となる消費者グループによって異なるが、より幅広い年齢層を狙う場合はモバイル広告よりデスクトップ広告の方が高い。しかしニールセンによると、対象を絞り込むほど携帯電話広告の方が効果的で、18〜34歳を狙った場合、携帯広告では63%、デスクトップでは53%となっている。

 ただし、消費者が年齢や性別を偽ることや家族や友人と端末を共有することもあるため、対象絞り込みの技術が向上してもデジタル広告の目標到達率が100%になる可能性は極めて低いと考えられる。