Monday, December 12, 2016 6:21 PM

シリア停戦、協議膠着 空爆74人死亡、化学兵器か

 シリアのアサド政権軍が内戦の激戦地、北部アレッポをほぼ制圧したことを受けて、米国務省のカービー報道官は12日、市民への攻撃激化を「受け入れられない」と批判、アサド政権の後ろ盾であるロシアが停戦合意を阻んでいると指摘した。一方、ロシアのラブロフ外相は、対米交渉は「行き詰まりだ」と述べた。

 シリア人権監視団(英国)によると、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配するシリア中部ハマ県南部や東部ラッカに空爆があり、21人の子どもを含む市民計74人が死亡した。爆撃機の所属は特定されていないが、監視団は化学兵器が使用された可能性を示唆した。

 アサド政権軍幹部はロイター通信に「勝利宣言は目前だ」と語り、シリア最大都市アレッポの攻防は最終段階に到達したとの認識を示した。政権軍が攻勢を強める中、反体制派は支配地域から敗走を続けている。最終的なアサド政権退陣を主張し、反体制派を支援してきた米国やアラブ諸国が戦略の練り直しを迫られるのは必至だ。(共同)