Friday, July 11, 2025 7:17 AM
コンチネンタル、ファブレス半導体事業を設立
独コンチネンタルは、半導体受託製造大手グローバルファウンドリーズ(カリフォルニア州)と提携し、車載システム向けに独自チップを設計する事業を新設する。
ウォールストリート・ジャーナルによると、この新事業「アドバンスト・エレクトロニクス・アンド・セミコンダクター・ソリューションズ(AESS)」は、コンチネンタルの子会社アウモヴィオ(Aumovio)が将来自動車メーカー向けに提供する車載電子システムなどに特化した半導体の設計やテストを行う。
AESSは設計に焦点を当て、製造はグローバルファウンドリーズが独占的に担当するファブレス体制となる。新事業のフィリップ・フォン・ハーシュヘイトCEOは、これで地政学的なリスクを軽減できるだけでなく、この分野での自立性が高まり、コンチネンタルの競争力が強化されるとみている。
自動車業界では、ソフトウェア定義型車両(SDV)の電子部品強化などを受け、半導体需要が急激に拡大している。車線維持支援、車間距離制御(ACC)、衝突検知などの運転支援機能は高度な半導体技術に依存しており、車載半導体の世界市場は2032年までに約1100億ユーロ(約1267億7700万ドル)に急成長すると予想されている。
コンチネンタルは、長期的な成功には半導体開発への投資が不可欠と考えており、AESSの設立は、技術投資と自立性強化を柱とする取締役会の長期戦略とも合致している。同社はこの取り組みで、サプライチェーン(供給網)の強化、製品の品質向上、市場投入までの大幅な時間短縮なども期待でき、新組織は、運営効率の向上、コスト削減、全体的なキャッシュフローの改善といった形で価値を創出すると見込んでいる。