Tuesday, December 13, 2016 9:57 AM

金利上昇で日銀動向に注目 米インフレ予想が波及

 米金利の急上昇が日本に波及し、長期金利が上昇している。13日の国債市場では、指標となる新発10年債の終値利回りが0.08%と2月15日以来約10カ月ぶりの高水準をつけた。日銀は長期金利を0%程度とする目標を設けているため、金融市場は「上昇幅をどこまで容認するのか」と日銀の金利操作の動向に関心が集まっている。

 大統領選でトランプ氏が勝利して以降、市場では減税や公共投資拡大といった景気刺激策への期待から米金利が上昇している。今月12日のニューヨーク債券市場では、石油輸出国機構(OPEC)とOPEC非加盟国による協調減産の正式決定でインフレ予想が強まって米長期金利は一時2.53%と約2年2カ月ぶりの高水準となった。

 一方、日銀は9月の金融政策決定会合で長期金利に誘導目標を設けて金利水準を管理し、過度な上昇や下落は許容しない構えだ。11月17日には金利の急上昇に対応し、利回りを指定した上で国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を実施して金利上昇をけん制した。(共同)