Thursday, December 15, 2016 4:54 PM

ヒトラー生家、取り壊さず 社会福祉施設に改装案

 オーストリア北部オーバーエスタライヒ州のピューリンガー知事は15日、同州ブラウナウにあり、強制収用が決まったナチス・ドイツの独裁者ヒトラー(1889〜1945年)の生家を取り壊さず、社会福祉施設に改装する考えを示した。オーストリア通信が伝えた。

 ソボトカ内相とブラウナウのワイトバッハー市長との協議後に語った。ピューリンガー氏は、生家を取り壊した場合「負の歴史の一章を消し去った」との非難を浴びるとして、取り壊さないことを決めたと述べた。

 生家は、2011年夏まで障害者福祉団体がデイサービス施設に使用しており、ピューリンガー氏は同団体の再入居を検討。人間の生を前向きに捉え、ナチスの犠牲者を思い、ヒトラーの犯罪への「明確な反対の象徴になる」と説明した。(共同)