Thursday, December 15, 2016 4:55 PM

英、卵子核移植を承認 「3人の親」持つ子誕生へ

 英政府の研究監視機関「ヒト受精・発生学委員会」(HFEA)は15日、母系遺伝性の難病ミトコンドリア病の母親の卵子から遺伝子を含む核だけを取り出し、健康な女性から提供を受けた卵子に移植する技術を最終承認した。

 BBC放送によると、英ニューカッスル大などのチームがこの技術を使う第1号となった。提供された卵子の核は、母親の核を移植する前に除去されるが、核の外にあるミトコンドリアの遺伝子は提供した女性のものが残る。このため、子は遺伝的に「3人の親」を持つことになる。早ければ2017年末までに生まれる可能性があるという。

 この技術は、ミトコンドリアが原因となる難病が子に伝わるのを防ぐことが目的。昨年、英上下両院で承認され、世界で初めて合法化された。実際に技術を使うには、今回のように改めてHFEAの認可を受ける必要がある。(共同)