Monday, December 19, 2016 1:01 PM

制御性T細胞発生の鍵物質 アレルギー治療期待、阪大

 過剰な免疫反応を防ぐ「制御性T細胞」が作られるのに必須のタンパク質を突き止めたと、大阪大の坂口志文教授のチームが19日付の海外の科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。

 制御性T細胞の欠損や異常は自己免疫疾患やアレルギーを引き起こすとされる。今回この細胞の初期の発生メカニズムを明らかにしており、病因解明や治療法開発につながる可能性があるという。

 チームによると、制御性T細胞は通常、幼少期に胸腺で作られる。しかし、細胞の核の中にある「Satb1」というタンパク質の働きを抑えたマウスを作製すると、制御性T細胞の発生が顕著に減り、膵臓や卵巣で自己免疫疾患による炎症が起きたため、Satb1が制御性T細胞の発生に必須だと分かった。(共同)