Wednesday, March 15, 2017 11:50 AM
なりすまし詐欺の苦情、ID盗難を上回る
国税当局職員などを装った電話による「なりすまし詐欺」に関する苦情が、2016年は初めて個人情報(ID)盗難の苦情件数を上回ったことが連邦取引委員会(FTC)のまとめで分かった。
ロイター通信によると、FTCの捜査部門コンシューマー・センティネル・ネットワークが16年に受けた苦情は305万374件。このうち40万6578件がなりすまし詐欺に関する内容で、ID盗難は39万9225件だった。
苦情全体は過去最高を記録した前年の314万803件から3%減少した。16年の構成比では債務取り立てに関する苦情が最多の28%を占め、85万9090件に上った。
FTCによると、内国歳入庁(IRS)の職員を装って税金の納入を求めるなど、政府機関をかたる不正が増えており、その結果苦情が増えたと考えられる。特に軍関係者から最も多かった苦情がなりすまし詐欺関連で、全体(11万5984件)の32%を占めた。
ID盗難に関しては、政府が個人情報の保護や不審な場合にはすぐ報告するよう呼びかけるなど消費者教育が奏功し、苦情は前年から19%減少した。
苦情を届けた人の77%は「まず電話がかかった」と答え、2年前の54%から大幅に増加した。「電子メールが来た」という人は8%、インターネットを介した詐欺は6%だった。
16年は66万2209人が詐欺によって計7億4450万ドル(1人平均1124ドル)を失っており、払い込みの58%は電子送金で行われ、残りはクレジットカード、銀行口座からの引き落とし、プリペイドカードなどが占めた。