Friday, April 07, 2017 10:35 AM

テイザーの新社名はアクソン〜ソフト事業の強化で変更

 警察などが使うスタンガン「テイザー銃」の製造元テイザー・インターナショナル(Taser International、アリゾナ州)は、ソフトウェア事業の強化を図って社名をアクソン(Axon)に変更した。

 ロイター通信によると、アクソンはもともと、旧テイザーで警察にボディカメラ、車載カメラ、撮影したデジタル映像を管理するソフトなどを販売する部門の名称だった。同社は現在、ソフト使用契約の売り込み強化で、撮影した証拠映像などを管理するオンライン・ソフト「エビデンス・コム(Evidence.com)」への1年間無料アクセスとボディカメラの無料提供を警察向けに実施している。

 現在も売り上げの大部分は武器部門が占めており、2016年は総売上高2億6820万ドルのうち2億260万ドル。ほとんどは交換カートリッジの販売だった。テイザー銃についてはこれまで通り「テイザー」のブランド名を使う。テイザー銃は警察に人気が高いものの、死亡例もあるためアメリカ自由人権協会(ACLU)などからは批判されている。

 リック・スミスCEOは「テイザーというブランド名は武器とつながるため賛否が分かれ、ほかの製品の販売に支障が出る恐れがある。社名をアクソンにすることで、テイザー・ブランドと区別しながらカメラや記録管理ソフトを警察に販売できる」と説明する。

 アクソン部門は売り上げの4分の1近くを占めるようになり、エビデンス・コムの売り上げは前年から倍近く伸びて1170万ドルに達している。クレイグ-ハラム・キャピタル・グループの上席リサーチ・アナリストは「ハードウェアが何時間にも及ぶ未処理のデータを作り出しているため、あまりITに強くない警察がデータの管理だけでなく証拠品としての取り扱いにも苦労するようになっている」と話し、ソフトは需要が見込める。

 エビデンス・コムは有料ソフトで、一般的な契約期間は5年。