Wednesday, May 10, 2017 11:11 AM
アマゾン、音声認識スピーカー市場で独走中
米国の音声認識スピーカー市場で、アマゾンが他を大きくリードしている。
ロイター通信によると、オンライン広告調査イーマーケターの調べでは、2017年はアマゾンの「エコー」と「エコー・ドット」が70.6%のシェアを握る見通しで、アルファベットの対抗商品「グーグル・ホーム」(23.8%)を大幅に上回っている。
アマゾンのスピーカーには音声認識プラットフォームとして人工知能(AI)「アレクサ」が搭載されており、ユーザーはこれを使って音楽の再生、ウーバーの依頼、照明のオン・オフなどを指示することができる。国内ユーザー数は17年に前年比倍増以上の3560万人になる見込み。
アマゾンは、アレクサや同社の音声認識技術をユーザーの生活に組み込ませることに成功しており、ユーザーが増えればデータが増えてアレクサの理解度も高まるため、デスクトップ業界におけるウィンドウズのような強力な音声認識プラットフォームになる可能性がある。
エコーの販売実績は未公表だが、在庫の維持が困難なほどの人気ぶりで、RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニー氏は製品自体の売り上げやアレクサ経由で注文される商品の売り上げで、アマゾンには20年までに100億ドルの収入が生まれると見ている。
ただし、グーグルも音声認識スピーカーのシェアを伸ばす見通しだ。アナリストらの調査でグーグル・ホームの技術は他社製品と同等かそれ以上であることが分かっており、まだ発売されて数カ月しかたっていないにもかかわらず、マハニー氏の調査では国内でのブランド知名度がすでにアレクサの80%まで達しているという。
イーマーケターの調査はスピーカーに対象を絞っているため、アップルの「シリ」やマイクロソフトの「コルタナ」といった他の音声認識技術は対象外。調査報告書によると、米国では17年、スマートフォン利用者の4分の1以上に相当する6000万人以上が月に1回以上何らかの音声認識技術を使うと推定される。