Tuesday, May 30, 2017 9:52 AM
シックの新サイト、ジレットの替え刃も安く販売
国内販売2位のかみそりブランド「シック(Schick)」の製造元エッジウェル・パーソナル・ケア(Edgewell Personal Care、ミズーリ州)は、首位ブランドであるプロクター&ギャンブル(P&G)の「ジレット(Gillette)」にも使える替え刃をP&Gより安く販売する登録制のオンライン・サービスを始めた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、エッジウェルの新設サイト(ShickHydro.com)では、シック用の替え刃「ハイドロ(Hydro)」のほか、ジレットの「マッハ3(Mach 3)」や「フュージョン(Fusion)」に使える替え刃「ハイドロ・コネクト(Hydro Connect)」も購入できる。マッハ3用の替え刃パック(5個入り)は、ジレットのオンライン・サービスだとカートリッジ1個当たり2.60ドル、より高価なフュージョン用(4個入り)は5.36ドルだが、エッジウェルの新サイトでは替え刃タイプと個数によって1.78〜3.33ドルになる。
P&Gは新興のオンライン業者や低価格の同業からの値下げ圧力に直面しており、最近ではかみそり製品を平均12%引き下げ、より安い商品に力を入れる姿勢を見せしている。
エッジウェルは世界で14億ドルのかみそり事業を展開しているが、オンライン市場への参入は出遅れていた。この市場を先導するのは2012年にスタートしたダラー・シェイブ・クラブ(Dollar Shave Club)や後発のハリーズ(Harry’s)で、安い替え刃の定期配達という新商法で替え刃をオンライン購入する消費者を増やした。
ジレットも14年にはオンライン・サービスを始めたが、今も新興2社の優勢は続いており、ダラー・シェイブ・クラブは16年、ユニリーバに10億ドルで買収された。しかし、ダラー・シェイブ・クラブは定期配達の選択肢が毎月か2カ月ごとしかないため、エッジウェルは今回、9カ月ごとでもオーダーできるように柔軟性を高めている。ジレット製品にも使える替え刃の販売が法的に問題ないかも事前に確認したという。
ダラー・シェイブ・クラブは17年5月から、まだ商品を使い切っていない場合は配達を1回飛ばせるようにする予定で、同じ問題を抱えていたP&Gも同月からテキスト・メッセージで替え刃を注文できるシステムを導入した。
市場調査ユーロモニターによると、米かみそり市場のシェアは、ジレットが11年の70%近くから16年には54%に、シックは19%から約15%に低下している。