Monday, June 05, 2017 11:08 AM

自動運転車用ライダー、27年には130億ドル市場に

 光を使った測距技術のライダー(LiDAR)によって、自動運転車の障害物検知システム、および自己位置の推定と周辺地図作成が同時にできる技術(SLAM)が経済的かつ早期に商用化されるという予測を、市場調査のABIが発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、ABIはライダーの市場投入が2019年に始まり、27年までにはライダー市場が130億ドル規模に達すると予測している。

 ソリッドステイト型ライダーをめぐっては、エアロスター・ストローブ(Aerostar Strobe)やイノビズ・テクノロジーズ(Innoviz Technologies、イスラエル)、ファントム・インテリジェンス(Phantom Intelligence、カナダ)、クアナジー(Quanergy、カリフォルニア州)などの新興企業のほか、カナダのレダーテック(LeddarTech)や日本のパイオニア、独イベオ(IBEO)、米センサータ(Sensata)といった大手が開発でしのぎを削っている。市場リーダーに君臨する米ベロダイン(Velodyne)は最近、量産で数百ドル程度まで価格を抑制できるソリッドステイト型ライダー「ベルアレイ(Velarray)」を発表した。

 ABIのジェームズ・ホジソン上席アナリストによると、目標価格はセンサー1個当たり100〜250ドルで、実現すれば大幅なコスト削減につながる。それでも車両の周囲360度を検知するライダーの搭載には複数のセンサーが必要なため、十分な投資対効果を得るには衝突回避の先進運転支援システム(ADAS)にとどまらない自動運転への活用が不可欠という。