Friday, June 17, 2016 10:39 AM

希少サルの不適切飼育横行 研究者が動画分析、警告

 絶滅の恐れが高いアジアの小型サル「スローロリス」を不適切な方法で飼育している様子が、インターネット上の動画調査で多数見つかり、多くが日本で撮影されたとみられるとして、英国の研究者が17日、東京都内で記者会見して警告した。

 会見したのは、保護活動に取り組むオックスフォード・ブルックス大のアンナ・ネカリス教授。スローロリスは生息地の破壊や狩猟で数が減り、ワシントン条約で国際取引が禁止されているが、今なお多くの国でペットとして人気だ。同教授は「不適切飼育による強いストレスで健康を害し、死につながりかねない。ペットとして飼うべきではない」と訴えた。

 同教授によると、約160本のネット動画を調べたところ、うち93本が日本で撮影されたと思われるものだった。夜行性なのに昼間の光で撮影されていたり、野生では食べない糖度の高い果物やおにぎりを食べさせたりする動画もあった。(共同)